歯周病と関係する全身疾患

   

こんにちは、新宿(大久保)の橋本歯科医院です。
本日は、歯周病と関係する全身疾患ついてお応えしていきます。

「歯周病と全身の健康には深いかかわりがある」という事は、いまではだいぶ広く知れ渡っている事実ですが、実際にどんな病気とかかわりがあるのか、深く知らない方も多いのではないでしょうか?
本日は、歯周病と全身の健康とのつながりについて深く解説したいと思います。

 

歯周病と関係するとされる15の病気(全身疾患)

肥満(あまり食べないのに太る)

肥満といえば、一般的に食べ過ぎによるオーバーカロリーが原因ですが、中にはあまり食べていないにもかかわらず太りやすいという体質の方もいます。
その体質の原因はさまざまありますが、その原因の一つとして歯周病菌が関与していることが、近年明らかになりました。
具体的には、歯周病菌が作りだす「リポ多糖」という内毒素が肝臓に影響し、脂質代謝異常や耐糖能異常を引き起こし、肝臓や脂肪組織に脂肪を沈着させることで太りやすくなってしまうという事です。

動脈硬化

動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因だと言われてきましたが、近年、歯周病菌も関係していることが解ってきました。
そのメカニズムは、歯周病菌の刺激によって動脈硬化を誘導する物質が出て、それが血管内にアテローム性プラークを作ることで欠陥の通り道が狭くなり、血流が制限されて動脈硬化になるというものです。

高血圧

歯周病が進行している人は、降圧剤が効きにくい治療抵抗性高血圧のリスクが高いと言われています。
また、歯周病になっている治療抵抗性高血圧の患者に歯周病の治療を行ったところ、血圧の低下がみられたというデータもあることから、歯周病と血圧には関係があると考えられます。
ちなみに高血圧の人は、降圧剤を飲んでいらっしゃる人が多いのですが、この薬が歯肉を腫れさせて歯周病を悪化させます。

糖尿病

糖尿病になると歯周病が悪化するので、歯周病は以前から「糖尿病の6番目の合併症」とかで言われていきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯周炎や歯肉炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。 ところが近年、歯周病の治療をすると糖尿病が劇的に改善されることがわかってきました。
具体的には、口腔内で増殖した歯周病菌が血液中に親友すると、免疫細胞が活性化されて「サイトカイン」という物質を大量に生産するのですが、これがインスリンの働きを弱めて血糖コントロールを悪化させるため、糖尿病の症状が悪化します。

インフルエンザ(かかりやすくなる、薬が効きにくくなる)

歯周病菌は、病原性細菌が感染し訳すなる酵素と、菌を付着しやすくする酵素を量産し、歯周病菌がより繁殖しやすい環境を作ります。
そしてこの環境は、他のウイルスも感染しやすい環境であるため、市種苗の人はインフルエンザはほかのウイルスにも感染しやすくなるというわけです。
また、歯周病菌はタミフルなどの抗ウイルス剤を効きにくくさせたり、インフルエンザ感染を重症化させます。

間接性リウマチ

間接性リウマチとは、手足の関節がこわばったり痛んだりして、進行すると関節が変形してしまう病気です。
この間接性リウマチが歯周病菌が作り出す毒素によって発症・進行したり、症状が重くなったりすることが明らかになってきました。
また、歯周病の治療をしたことで、間接性リウマチの症状が明らかに改善したという報告もあります。

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨に小さな穴が開き、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、主に系敬語の女性がホルモンのエストロゲンの分泌低下などによって起こります。
エストロゲンの分泌が少なくなると、歯を支えている歯槽骨がもろくなり、歯周病の進行が加速することになります。
そして、歯周病で歯を失うと噛む力が低下するので、食物の消化吸収の低下を招き、ビタミンDやカルシウム不足を助長させ、骨粗鬆症を進行させます。
歯を20本失うと、大腿骨骨折のリスクは5倍になるというデータもあるほどです。

認知症

認知症には、脳血管性やアルツハイマー型など、いくつか種類があります。
このうち脳血管性は脳卒中が原因で発症しますが、その脳卒中は先ほど挙げた動脈硬化が主な原因ですので、歯周病と大きなかかわりがあります。
一方、アルツハイマー型の認知症はアセチルコリンなどの神経伝達物質の生涯が原因として挙げられていますが、アセチルコリンは歯の咀嚼の刺激によって分泌が促されるため、歯周病で歯を失うと認知症になりやすいと言えます。
実際、自分の歯がほとんどない人は20本以上ある人に比べて約2倍、認知症リスクが高いと言われています。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、食べ物や異物が誤って気管や肺に入り込んで発症する肺炎で、日本人の死因の上位を占めます。
誤嚥性肺炎の原因となる最近の多くは歯周病菌で、誤嚥性肺炎を引き起こした患者の肺からは、高確率で歯周病菌が発見されています。

脳血管疾患

脳梗塞は、血管にプラークが詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが流れてきて脳内の血管が詰まったりすることもある病気です。
そして、脳梗塞の患者は歯周病菌に感染している割合が高いことが明らかになっていて、歯周病の人はそうでない人に比べて2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。
これは、歯周病菌が血流にのって全身をめぐることで脳梗塞の原因となる動脈硬化を引き起こしている可能性があるからと考えられています。

心疾患

代表的な心疾患としては、虚血性心疾患と心内膜炎があります。
虚血性心疾患は、動脈硬化が原因で、動脈硬化により心筋に血液を送る欠陥が狭くなったりふさがったりしてしまい、心筋に血液供給がなくなり心臓が止まってしまう病気ですが、動脈硬化は前述したように歯周病菌が深くかかわっています。
心内膜炎は心臓の内側を覆う膜が炎症を引き起こす病気ですが、心臓の弁に歯周病現金が感染して起こる場合があります。

がん

一見歯周病とは関係なさそうに見えるがんも、歯周病が関係している場合があると言われています。
歯周病の毒が身体に入り込むことで炎症が起き、その炎症が癌を誘発すると推測されています。
実際に、歯周病の人は歯周病ではない人に比べて肺がんが1.36倍、腎臓がんが1.49倍、すい臓がんが1.54倍、血液のがんが1.3倍もリスクが高まったという報告もあります。

エイズ

エイズは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染して免疫細胞を破壊し、免疫不全を起こす病気です。
これまで、エイズの発症メカニズム改名されていませんでしたが、2009年日本大学歯学部の落合教授らによって、歯周病が原因で口腔内に作り出される酪酸がHIVを活性化し、エイズの発症につながる可能性があると明らかにされました。

早期低体重児出産

近年増えつつある早期低体重児出産にも、歯周病が関係しています。
具体的には歯周病菌が直接支給などの生殖器に関与するパターンと歯周病菌に反応して生体が作り出すサイトカインやプロスタグランジンなどの炎症物質が関与するパターンがあります。
通常、サイトカインやプロスタグランジンは母体の出産準備が完了してから生産されるのですが、歯周病によってこれらが生産されることで、母体が勘違いして早期に分泌を促してしまうのです。

バージャー病(閉塞性血栓血管炎)

バージャー病は下肢抹消部に海洋や壊疽を引き起こす難病です。
これまでは、喫煙が主な原因とされていましたが、近年の研究でバージャー病の患者のほとんど全員が中程度から重度の歯周病で、患者の血管の大部分から歯周病菌が検出されました。そのため、歯周病と密接な関係があると言われております。

 

日頃のホームケアと、歯科医院でのスペシャルケアをうまく利用しましょう。

歯周病にならないためには、毎日のケアが必須です。しかしながら、ご自身の手で汚れを毎日100%落とすのはとても難しいこと。どんなに綺麗に磨ける人でも歯ブラシのみで60%、デンタルフロスを使用しても85%程度までしかプラークを落とすことがでいないと言われております。

さらに、その除去されずに残ってしまったプラークは、48時間後には「バイオフィルム」と呼ばれるヌルヌルとした薄い膜を形成。このバイオフィルムは歯ブラシなどで簡単に除去することが出来ないため、中でどんどんと細菌が繁殖し、歯周病や虫歯を引き起こし、進行させてしまいます。

このような悪循環を防ぐためには、定期的に歯科医院にて専用の機械を用いてバイオフィルムを除去してあげる必要があります。

歯周病でお困りの方は是非一度ご相談にいらしてください。

 



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