新宿（大久保）の歯医者なら、専門医による顎関節治療が評判の 橋本歯科医院

こんにちは。新宿（大久保駅）の歯医者、橋本歯科医院です。

虫歯治療は、以前は虫歯になってしまった部分を削って詰める、もしくはかぶせ物をするという手法が一般的でした。
しかし近年では、歯を削らずに残す手法をとる場合もあります。

「削らない虫歯治療」には、患者さんの治療時の負担を軽減できる、天然歯をより多く残せるといったメリットがあります。
しかし、当然ではありますがメリットだけではなく、リスクやデメリットもあります。
今回は、歯を削らない虫歯治療の具体的な内容とそのメリット・デメリットついて解説します。

一般的な虫歯の治療法

虫歯の治療法は、その進行度によって異なります。
初期段階の虫歯の場合は、穴が空いていないため、削る必要がありません。
その場合は、日々の歯磨きやフッ素を用いたセルフケアと定期的な経過観察により、再石灰化を促します。

エナメル質に穴が空いている段階では、虫歯部分を削り取り、その後、白い詰め物で補修します。
象牙質にまで進行した虫歯は、麻酔を使用して虫歯部分を除去し、歯科用プラスチックや金属で補修します。
この場合、進行度合いによって異なりますが基本的には数回の通院が必要となります。

また、虫歯が神経にまで達した場合には、感染した神経を除去するための処置を行います。
これは根管治療と呼ばれ、感染部を取りきるために根管内を入念に消毒する必要があるため、消毒のために2～3回、かぶせ物を装着するまでには合計で5～7回ほどの通院が必要となる治療です。

削らない虫歯治療とは

ドックベストセメント治療

ドックベストセメント治療は、特殊なセメントを用いる治療法です。
虫歯になっている部分の一部を意図的に残し、その上からセメント薬剤でふたをして詰め物やかぶせ物をすることで、歯を削る量を少なくできるというメリットがあります。
ただし、治療できる虫歯の状態に制限があること、自由診療のため費用が高額になることなどのデメリットがあります。

シーラント

シーラントは、特に奥歯のようなデコボコとした溝を持つ歯の表面に利用される治療法です。
一般的にシーラントというと、溝を埋めることで汚れを溜まりにくくする虫歯の予防方法の一つですが、ごく初期の虫歯の場合に進行予防として用いられることもあります。
6歳～12歳までのお子さんで、乳歯や生えてきた永久歯が初期虫歯と診断される場合には保険が適用されます。

フッ素塗布

シーラントと同様に、フッ素塗布で初期虫歯の進行を抑制する場合もあります。
初期虫歯はエナメル質に脱灰が起こっている状態であり、フッ素を塗布することで再石灰化が見込めます。

歯を削らない治療のメリット

天然歯を多く残せる

歯を削らない治療の大きなメリットは、天然の歯を多く残せることです。
自然の歯が持つ強度や美しさは、どんな人工物にも勝ります。
明らかに損傷が進んでいる虫歯の部分は削る必要がありますが、再石灰化が期待できる初期段階であれば、フッ素塗布などの処置により天然歯を残しながら虫歯を治療する方法がとられます。

抜歯リスクを下げられる

人工物で修復された歯は、長い時間が経過すると劣化しやすく、境目から虫歯が再発することも少なくありません。
歯を削らない選択をすることで、これらのリスクを軽減し、歯の長期的な健康を保ちやすくなります。

治療時の負担を軽減できる

削らない治療は、治療時の患者さんへの負担も軽減できます。
通常の治療で伴う痛みや不快な音、振動などの要素が取り除かれるため、歯科治療に恐怖心がある患者さんや、特にお子さんにとっては、心理的な不安を軽減できるというメリットがあります。
また、天然歯をできるだけ残せることで、その後の歯の虫歯リスクが軽減されれば、その分将来的な治療の負担を軽減することにもつながります。

歯を削らない治療のデメリット

エビデンスが不十分な治療もある

歯を削らない治療には、いくつかのデメリットもあります。
ひとつは、治療のエビデンスが不十分な場合があることです。
特に保険適用外の治療法は、海外では有効性が認められていても、日本国内ではまだ十分にその作用が承認されていないことがあります。
使用される器具や薬剤が日本で医療機器や医薬品として認可されていない場合もあるため、治療を選択する際にはそのような点も理解したうえで治療を選択することが大切です。

再治療のリスクがある

削らない治療には、虫歯の再発・再治療のリスクがあります。
虫歯が再発した場合、最終的には従来と同様に削る治療が必要になる場合があり、患者さんにとっては、手間やコストが増える可能性もあります。

予後に個人差がある

削らない治療の予後は、患者さんの口腔内の衛生状態や生活習慣に大きく依存します。
例えば、衛生状態が悪い場合や食生活が虫歯の原因となっている場合、思ったような結果が望めない場合もあります。

適応症例が限られる

削らない治療は、初期の虫歯や歯の表面的な損傷に対するものであり、進行した虫歯や広範囲にわたる損傷には基本的に対応できません。
虫歯が進行している場合には、従来の削る治療や根管治療が必要になります。

虫歯にならないために大切なこと

歯を削って行う治療にも、削らずに行う治療にも、それぞれメリットとデメリットがあります。
だからこそ大切なのは、そもそも虫歯にならないように予防をすること、虫歯になってしまった場合にはできるだけ早く治療を受けることです。
毎食後の歯磨きやデンタルフロスの使用といった日々のケア、甘いものやだらだら食いを控える、定期的に歯科医院を受診するといった生活習慣の改善に取り組むことで、治療をする必要のない口内環境を維持していきましょう。

まとめ

削らない虫歯治療は、主に初期虫歯に対して行われるものであり、保険適用の治療としてはシーラント処置やフッ素塗布、自由診療の治療としてはドックベストセメントなどがあります。
これらは患者さんの負担を軽減し、天然歯をできるだけ残すことのできる治療法ですが、エビデンスが不足している、適用範囲が限定されるなどのデメリットもあります。
歯科医師との十分な相談のもと、メリットとデメリットをしっかり理解したうえで、納得のいく選択をするようにしましょう。