もしかして顎関節症?口の開閉時やあごに違和感があるときのチェックポイントや対処法を解説

      2026/10/20

新宿(大久保駅)の歯医者、橋本歯科医院で、もしかして顎関節症?口の開閉時やあごに違和感があるときのチェックポイントや対処法を解説

こんにちは、新宿(大久保駅)の歯医者、橋本歯科医院です。

朝起きるとあごがだるい、口を開けにくい、口を大きく開けようとすると「カクッ」と音が鳴る。
このような症状を自覚し、「たぶん顎関節症だろうな」と思いながらも、そのまま過ごしていませんか?

しかし、あごの関節は、会話や食事、表情の形成など、日常のさまざまな動作に関わる大切な器官です。
初期段階で適した処置を行わずに放置してしまうと、慢性的な痛みに変わったり、理学療法や手術が必要になるほど悪化したりする場合があります。

今回は、顎関節症の基本的な仕組みから、原因、病態に応じた症状と治療法、受診の目安などを解説します。

 

顎関節症の基本と主な原因

あごの違和感や痛みの背景を理解するために、まずは顎関節の仕組みと原因について解説します。

 

正常な顎関節の構造と動作の仕組み

新宿(大久保駅)の歯医者、橋本歯科医院で、もしかして顎関節症?口の開閉時やあごに違和感があるときのチェックポイントや対処法を解説

顎関節は耳のすぐ前に位置しており、頭蓋骨のくぼみである関節窩(かんせつか)と、下あごの骨の先端である下顎頭(かがくとう)が組み合わさって構成されています。
この二つの骨の間には、関節円板と呼ばれる線維性の軟骨があり、これが骨同士が直接擦れ合うのを防ぎ、関節のスムーズな滑りを助けています。

また、あごの周囲には咀嚼筋と呼ばれる筋肉群が張り巡らされています。
口を開閉したり左右に動かしたりする際に、これらの筋肉関節、関節円板が調和して働くことで、食事や会話といった動作がスムーズに行われます。顎関節症の症状は、これらの仕組みに障害が生じることで現れます。

 

顎関節症を引き起こす主な要因

顎関節症は、次のような癖や生活環境が重なり発症します。

新宿(大久保駅)の歯医者、橋本歯科医院で、もしかして顎関節症?口の開閉時やあごに違和感があるときのチェックポイントや対処法を解説

歯ぎしりや食いしばり
睡眠中や集中時、運動時などに無意識に行われる歯ぎしり・食いしばりは、顎関節や周囲の筋肉に強い負担をかけます。
特に睡眠中の歯ぎしりは自覚しにくく、長年にわたり強い負荷がかかることで、関節円板のずれや筋肉の疲労を引き起こします。

噛み合わせの乱れや歯の欠損
虫歯や歯の欠損を放置していたり、かぶせ物の高さが合っていなかったりすると、左右どちらかのあごへ偏った負荷がかかります。これによってあごのバランスが崩れ、関節に負担が集中しやすくなります。

精神的ストレスや姿勢の崩れ
緊張やストレスは、無意識のうちに咀嚼筋を緊張させ、食いしばりを誘導します。
また、長時間のスマートフォン操作やパソコン作業による猫背、前傾姿勢も首や肩の筋肉を強張らせ、あごの動きに悪影響を及ぼします。頬杖をつく癖、うつぶせ寝、片側ばかりで噛む偏咀嚼なども、関節のバランスを乱す原因となります。

 

顎関節症の病状タイプとそれぞれの症状・治療法・予防法

顎関節症は障害が発生している部位や病態に応じて主に4つのタイプに分けられます。

 

咀嚼筋障害(Ⅰ型)

咀嚼筋障害は、あごを動かす筋肉(咬筋や側頭筋など)が疲弊し、強い緊張や炎症を起こしている状態です。

原因と症状
ストレスによる食いしばり、スポーツや仕事中の噛みしめ、硬いものを噛み続ける習慣などによって筋肉に疲労が溜まることが原因です。
頬(咬筋)やこめかみ(側頭筋)周辺に重苦しい痛みが現れ、口を開閉するときや噛み締めるときに痛みが強まります。朝起きたときにあごのだるさや首・肩のこりを感じるケースも多いです。

治療法
緊張した筋肉をほぐすための理学療法(温熱療法や低周波治療)や、筋肉を休ませるためのスプリント療法(夜間用マウスピースの装着)が行われます。
痛みが激しい場合には、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬を短期間服用することもあります。

予防法
日中に「歯と歯を触れ合わせない」意識を持つことが大切です。
パソコンやスマホの周りにメモを貼り、定期的に肩の力を抜いてあごをリラックスさせる習慣をつけましょう。

 

関節嚢・靱帯障害(Ⅱ型)

関節嚢・靱帯障害は、顎関節を包んでいる「関節嚢」や、関節を支える「靱帯」に過度の負担がかかり、捻挫のような炎症が生じている状態です。

原因と症状
あくびなどで急に口を大きく開けたときや、硬いものを無理に噛んだとき、打撲などの外傷が引き金となって発生します。
耳の前あたりを押すと痛むのが特徴で、口を動かしたときに顎関節部に鋭い痛みが生じます。

治療法
炎症を鎮めることが優先されるため、まずはあごを安静に保ちます。急性期には冷却を行うこともあり、痛みに応じて消炎鎮痛薬の処方やスプリント療法も検討されます。

予防法
食べ物は小さく切って口に運ぶようにし、大きく口を開けるような食べ方を避けましょう。
あくびをする際は、手であごを下から軽く押さえて口が開きすぎないようにします。

 

関節円板障害(Ⅲ型)

関節円板障害は、関節円板が正常な位置から前方へずれてしまう病態です。

原因と症状
長年の食いしばりや関節への過度な負荷により、関節円板を繋ぎ止める組織が伸びてずれてしまうことで生じます。
復元性と非復元性があり、復元性の場合は口を開閉する際に「カクッ」「コキッ」と音が鳴ります。非復元性に進行すると、滑り出ようとする下顎頭が円板に引っかかり、口が開かなくなります。

治療法
開口障害が生じている場合は、手技によって関節円板を元の位置へ誘導するマニピュレーション法が行われます。
また、あごの位置を整えるスプリント療法や、関節腔内を生理食塩水で洗流して癒着を外す関節腔洗浄療法が検討される場合もあります。

予防法
意図的に音を鳴らす動作は避けましょう。関節円板への負荷を減らすため、頬杖や片噛みの癖を改善することも大切です。

 

変形性顎関節症(Ⅳ型)

変形性顎関節症は、関節円板のずれが長期化したり、加齢や強い負荷が加わり続けたりすることで、骨そのものが変形したり擦り減ったりしてしまう状態です。

原因と症状
関節円板によるクッション性が失われた状態で下顎頭と関節窩が擦れ合うため、骨の表面が摩耗したり骨棘(こっきょく)と呼ばれる突起が形成されたりします。
口を開閉するときに「ジャリジャリ」「ザラザラ」といった砂を噛むような摩擦音が聞こえるのが特徴です。長引く痛みや口の開けづらさを伴います。

治療法
消炎鎮痛薬による消炎と、スプリント療法による関節負担の軽減を図る保存的治療が中心となります。開口訓練などの運動療法を組み合わせ、可動域を広げていきます。
保存的治療で十分な改善が得られない重症例では、外科的な手術が検討されることもあります。

予防法
初期の関節音や違和感を放置せず、早期に歯科医院を受診して骨へのダメージを防ぐことが重要です。

 

顎関節症のセルフチェックと受診の目安

ご自身のあごの状態を客観的に把握し、必要なタイミングで歯科医院に相談できるようにしましょう。

 

自宅でできる顎関節症セルフチェック

以下のいくつかの項目に該当する場合、顎関節症の可能性が考えられます。

口を大きく開けても、縦にした状態の人差し指・中指・薬指の3本がすんなり入らない

口の開閉時に、耳の前で「カクッ」「コキッ」「ジャリジャリ」という音が鳴る

硬いものを噛んだときや、口を大きく開けたときに、あごや耳の前、こめかみが痛む

鏡を見て口をゆっくり開けたとき、下あごが左右どちらかに曲がりながら開く

朝起きたときに、あごの周囲や頬の筋肉に強い張りやだるさを感じる

デスクワーク中や作業中、無意識に歯を噛み締めていることがある

 

歯科医院を受診するタイミングと目安

新宿(大久保駅)の歯医者、橋本歯科医院

「たぶん顎関節症だろうけれど、この程度なら大丈夫」と我慢しているうちに、関節内部の病態が進行してしまうケースは少なくありません。


すぐに受診すべきサイン
突然口が開かなくなった(指が2本以上入らない)、激しい痛みのために食事を摂ることが難しい、事故や転倒など外傷のあとにあごが動かなくなったといった場合は、早めに歯科医院や歯科口腔外科を受診してください。

早めに相談したいサイン
痛みがそれほど強くなくても、口を開閉するたびに音が響いて不快感がある場合や、食事のたびであごが疲れる状態が数週間続いている場合は、歯科医院へご相談ください。
初期であれば、生活指導や装置の装着で症状の軽減が期待できます。

 

日常生活でできる予防のポイント

顎関節症の予防には、日々の生活の中であごへの負担を減らすことが大切です。


大きな開口動作の制限
あくびをするときは、手であごの下を支えて口が大きく開きすぎないようにしましょう。
大きくかぶりつく動作もあごに強い負荷をかけるため、一口サイズに切って食べる工夫をしてください。

噛み締め防止
上下の歯は、安静時には接しておらず、わずかに隙間が空いているのが正常です。
仕事や家事に集中しているときに歯を接触させてしまう癖(TCH)がある方は、上下の歯を離し、舌の力を抜く練習を行いましょう。

姿勢の見直し
長時間のデスクワークやスマホ操作による猫背は、下あごを後方へ押し込み、周囲の筋肉を緊張させます。
背筋を伸ばし、耳・肩・腰が一直線になる姿勢を意識しましょう。1時間に1回は作業を中断し、肩を回したり首をゆっくり伸ばしたりするストレッチを行ってください。
また、頬杖をつく習慣や、うつぶせで寝る姿勢もあごを歪ませる原因になるため控えましょう。

 

まとめ

あごの違和感、開閉時の音、口の開きにくさといった症状について、「きっと顎関節症だろうけれど、命に関わるわけでもないし大丈夫だろう」とそのままにしてしまうケースは少なくありません。
しかし、受診せずに放置していると、関節のクッション(関節円板)がずれたまま硬くなったり、あごの骨の摩耗がゆっくり進んだりして、慢性化・重症化するおそれがあります。

顎関節症は、早期に発見してご自身の病態に合った処置や生活改善を行うことで、無理なく症状を和らげることができる病気です。
「いつものことだから」と見過ごさず、一度かかりつけの歯科医院や歯科口腔外科で状態を確認してもらいましょう。早期にチェックを受けることが、健康なあごを守ることにつながります。

 



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